奥地あじとは
「奥地あじ」とは
愛媛県西予市三瓶町(えひめけん せいよし みかめちょう)で捕れるアジは、これ以上ない好条件のもとで漁礁に生まれ育つ「瀬付き」のアジです。奥地あじには、大きく3つの特徴があります。
1つめは、脂のノリがよく、脂に甘みがあることです。奥深い山や川からのミネラルが湾に流れ込み、エサ(シラスなど)が豊富なために良質な脂がつきます。
2つめは、適度に締まった身です。豊後水道の潮流によってアジにとって適度な運動量があるため、痩せすぎたり、太りすぎたりせず、バランスのよい肉質となっています。
3つめは、黄金に輝いていることです。エサが豊富なので回遊(適した水温や餌、産卵場など求めて広い海域で移動すること)しない「瀬付き」のアジは、日焼けせずにきれいな黄金色に輝いています。
味も見た目も揃ったこのアジは、この三瓶町の漁場だからこそ捕れる奇跡のアジといえるでしょう。
私たちはアジに携わる先人の努力や、地元の食文化を次世代に継承していきたいという想いから、この奇跡のアジに「奥地あじ」と名付けました。
「奥地あじ」名前の由来
三瓶町の宇和海リアス海岸の湾は、通常町名をとって三瓶湾と呼ばれていますが、海図では「奥地湾(おくちわん)」と記されています。
奥地湾の海岸は、約4億年前の岩石を含む地層の隆起によって漁場となるたくさんの瀬(岩礁)ができており、奥地あじを育む地形となっています。
また、毎年夏には「奥地の海のかーにばる」という夏祭りが開催され、地元の人や帰省客で盛り上がります。
湾の名前でもあり、太古の昔からの豊かな自然をイメージできる言葉でもあり、また地元の人たちにとって親しみもある”奥地”をアジの名前に付けました。
伝統の一本釣り漁法
三瓶町の漁師さんたちは、乱獲をせずに昔ながらの一本釣りにこだわっています。山の位置を見ながら漁場を確認し(これを「山をたてる」と言います)、長年の勘と手の感覚を頼りにアジを釣り上げます。
釣り上げたアジは活きたまま港へ持ち帰り、一晩籠で休ませることで釣られた時のストレスを減らします。
ここまでアジは一度も人間の手には触れません。触れば人間の体温でアジが傷つき、鮮度が落ちるためです。
昔からこの地域でアジに関わる先人たちの教えは、今も脈々と息づいています。
奥地あじの出荷
釣りアジ全てを「奥地あじ」と名づけているわけではありません。釣ってきたアジの中でも、弊社独自の基準で格段に質・形のよいアジを厳選して「奥地あじ」のタグを付けて出荷しています。 出荷の際には奥地あじが氷などで傷ついて鮮度が落ちないよう、氷の詰め方、緩衝材の敷き方にも工夫をしています。 漁師さんは釣るプロ、私たちマルウ水産は目利き・販売のプロというスタンスのもと、奥地あじを大切に出荷することが、私たちなりの自然の恵みと漁師さんへの恩返しだと思っております。
奥地あじを使った料理
奥地あじの旬は春〜夏にかけてです。地元では昔からたくさんのアジ料理があります。
アジの洗い
地元三瓶町の代表的な郷土料理で、三枚におろしたアジの切身を冷水でサッと〆ます。脂を落としてたくさん食べるという、地元ならではの食文化です。刺身とは違ったさっぱり感と本来の身の甘味を楽しめます。
一夜干し
三瓶町では、家庭で干物を作ることも珍しくありません。脂がのっているので、ふっくらとした極上の一夜干しになります。
なめろう
アジの身が少し残るくらいの荒たたきを、味噌、しょうが、 にんにくと和えます。お酒のアテに最高です。
会社概要・お問い合わせ
- 株式会社マルウ水産
- 宇都宮一彦
- 300万円
- 伊予銀行 愛媛銀行
- 〒796-0907
愛媛県西予市三瓶町朝立2-125-1
- 0894-33-0391
- shop@maru-u.jp
1946年
宇都宮鮮魚として創業。
魚屋一家の宇都宮ヒデ子がリヤカーで行商をはじめる。その後現在地で店を構え仕出しを始める。
1968年
宇都宮武雄が30歳で跡を継ぐ。
1995年
武雄の病を機に、息子である宇都宮一彦が28歳で帰省。父の片腕として家業に就く。
1997年
一本釣りアジの出荷をはじめる。
2007年
株式会社マルウ水産として法人化。
「奥地あじ」商標登録。一本釣りアジのブランド化を行う。
2010年
奥地あじを中心とした加工品の製造を開始。
2011年
学校給食用物資取引業者の指定を受ける。
2013年
「冷凍焼き魚の製造方法」特許取得。
2017年
奥地あじと加工品が「四国西予ジオの至宝」第一号認定を受ける。